「…あ、ありがとう?」
そう返すと、レンは笑っていて。
「明日はよろしくね。」
「うん。もう今日だけどね?」
「そうだった。」
「…なんか、ごめんね?」
私はレンに謝った。
本当はずっと思ってた。
私にとってはこの結婚はほぼ政略結婚と同義で。
義務で、通過点でしかないけど。
レンにとっては、もしかして大事なことではないのかと。そう思ったから。
「どうして謝るの?」
「本当ならきっと…私じゃない誰かと結婚して幸せになる未来がレンにはあったんじゃないかなって。今更思ってる。」
そう言うと、レンはまた笑って。
「不思議だよね。」
「え?」
「結婚話は正直迷惑で、煩わしかったんだけど。」
「…ですよねー。」
月明かりが照らすレンの瞳は、一段と綺麗で。
今は海じゃなくて、この輝く星たちが犇めき合う夜空のようで。
…思わず魅入ってしまう。
「…けど、相手が君でよかった。」
「…うん?」

