(一)この世界ごと愛したい




るうは例の野暮用とやらで、昨日の夜に私の部屋を出たっきり戻らない。



婚儀は明後日。



私は今の悲惨な状況を顧みて。




早く帰ってきて!!!


と叫びに似た祈りを捧げる他ない。





「姫様、当日の予行をいたします!」


「姫!行軍の隊列はいかがしましょう!?」


「料理長より婚前料理の一部指示をと!」


「兵糧はどうしますか!?」




るうがいないことで、朝起きない私の部屋のドアを強制的に開けられ。


叩き起こされ。



メイドさんたちと、軍の伝者が押し寄せる。





寝起きの私の頭がもちろん上手く回るはずもなく。


というか考えようという気も起きない。すべてをシャットアウト。








「…おいおい、なんだこりゃ。」


「姫、大丈夫?」




そんな私の部屋に来てくれたのはアキトとレン。





「婚儀のことは俺が聞くよ。」


「ったく。行軍だの兵糧だの、各々好きにしろってそれぞれの隊長に言っとけ!」