(一)この世界ごと愛したい






「姫様、お美しいです!」


「こちらのお色味はいかがでしょう!?」


「装飾にこちらはどうですか?」




朝からバタバタと、王宮のメイドさん達が私の部屋に出たり入ったり。



どうやら婚儀の準備の一環らしい。



目の前がチカチカする程、煌びやかなドレスや着物。髪飾りにアクセサリーが並べられて、私は着せ替え人形状態。





「あ…あの、なんでも…いいです。」


「まあっ!一生に一度の晴れ姿ですよ!是非とも全てお試しくださいませ!」




全部試してたら何日あっても足りないよ!?



るうはこのメイドさん達の圧に屈して、早々に部屋から逃げて行き。


私は一人でこの戦いに明け暮れている。





「あ…もうじゃあこれで。」


「姫様はもっと鮮やかなお色がいいかと!」


「じゃあそれで。」


「かしこまりました!」




もう聞くな。何も聞くな。


そっちで勝手に好きに決めてくれ。




そんな感じで服や装飾品を数時間掛けて選び、メイドさん達は部屋から出て行ってくれた。




「つ、疲れた…。」



けどこれでやっと戦のことを考えられる。




と、思った次の瞬間。


コンコンと部屋のドアが音を立てる。




「…はい?」



私が扉を開けると。


再びわんさかとメイドさん達が部屋へ続々入ってくる。




「姫様!髪型のご要望はありますか!?」


「お化粧はどうします!?」





もう無理だよー!!!!