(一)この世界ごと愛したい




本部に残ったレンとアキトのその後のことは知らない私とるうは、部屋に戻ってきてティータイムの真っ只中。



るうはレンの意外な強さに、あまり驚くことはなかったようで。



この国はチートだと不貞腐れていた。





「…ハルのこと、レンに頼んでみたの。」


「そうか。」


「上手くいかなくて当然。上手くいけばラッキーくらいの気持ちでいようと思ってる。」


「ハルが起きるまでにアレンデールに帰らねえと。起きた時にリンがいないと、あいつまた暴れるぞ。」




確かに想像できる。


私は思わず苦笑い。そして改めて、早くアレンデールに帰らねばと気合いを入れる。





「よし、まずは戦の準備頑張ろう!」




新しく得た情報も踏まえ、基盤に駒を並べていく。







「なあ、リン。」


「んー?」






「…婚儀の日、俺がいなくても平気か?」




るうは真剣な目で私に聞く。





「どこか行くの?」


「…ちょっと野暮用。」


「…わかった。」





婚儀の日。


つまり、私の誕生日。





違う国にいたって、るうだけは祝ってくれると勝手に思ってた自分が恥ずかしい。





「悪い。絶対早めに戻る。」


「ううん。私はどうせお人形さんしてるだけだし、気にしないで!」


「…ああ。」




不思議と寂しい気持ちのまま、時間だけが過ぎて行くけれど。



この翌日から、私の日常は大きく変化する。