「…お前苦労するなあ。」
「それが姫のいいとこだよ。」
「完全に溺愛だなあ?」
「アキトはどうなの?」
私とるうが本部を後にして。
レンとアキトが話している会話を、私が知ることはない。
「俺はごめんだ。」
「…そんな風に見えないけど。」
「俺はドロドロした争奪戦には参加したくねえ。というか巻き込まれたくもねえ。」
「確かに。」
レンがぼんやり天を仰ぐ。
「本来ならこんな面倒事、俺だってごめんだよ。」
「…それでも欲しいと思ったんだろ。」
「…そうだね。」
アキトは肯定したレンを見て、少し切なそうに笑った。
「敵は手強いぞ?」
「…俺も正直勝てる気がしない。」
「でも結婚は決まってるし…って。そういう問題じゃねえか。」
「そうそう。姫にとってこの結婚はただの義務。なんの感情もないからね。」

