(一)この世界ごと愛したい




稽古場はかなり人目につくので、用があれば勝手に出て来るだろう。


それまでるうと適当に剣を振って時間を潰す。





「あれ?」



稽古場に向かってくる人がいる。


けど、エリクではないので私は少しほっとしている。






「おいリン!てめえレンに何言ったんだ!?」



再会早々、荒れているアキト。


その後ろからレンも一緒に歩いてくる。




「こっちは気持ちよく寝てんのに起こされて!なんかキレてるし!!」


「姫に何もしないでって俺言ったよね?」


「してねえよ!なあ!?リンそうだろ!?」




またその話するの!?


もう嫌だ!その話だけは嫌だ!!!










「おやおや。皆さんで稽古ですか?」



そして現れたエリク。




そんないっぺんに来ないでくれ!!!