(一)この世界ごと愛したい




そう思い、とりあえず稽古場に行かないかとるうを誘ってみる。



「昨日帰って来たばっかだし、今日はゆっくりしてる方がいいんじゃねえか?」


「そうしたいのは山々なんだけど。たぶんエリクが来るから、ここでは会いたくない。」


「またあいつかよ。」



またあいつなんだよ。


私も同じ気持ちだよ。




だけど、エリクは現れると私は確信に近い何かを感じています。





「るう、嫌だったら待っててもいいよ?」


「…今はお前と離れる方が嫌だ。」



たった三日。されど三日。


るう、そんなに寂しかったのか!!!




「るう可愛いー。」


「喧しい。行くならさっさと行くぞ。」


「うん。」




会いたくないし、面倒だけど。


全然気持ちは乗らない重い足取りで、るうと稽古場へ向かった。