(一)この世界ごと愛したい




レンならいいかと、私は再び基盤と駒の前に座り一人で黙々と頭の中で模擬戦を繰り返す。



やはり上手くいかないのは、単純に使える手が少ないからだ。


アキト軍をもっと展開して、私と連携できる手を増やさないといけない。だけどアキトと分断してその兵たちを私が御せるかは分からない。





「…うーん。やっぱりだめだ。」



分からないことが多すぎる上で模擬戦したって、底が知れてる。



まずは自分の手札の情報を集めねば。



アレンデール軍ならみんな知ってる人だから、こんなことする必要ないのになー。






「姫、大丈夫?」


「うん。」


「アキトに何もされなかった?」


「…うん!?」



なにも、されてない…かな?


でも、昨日の朝は…。いやあれは浴衣があんなにはだけやすいなんて知らなかった私の落ち度か?




「おい。それ聞いてねえぞ。」


「姫、何されたの。」



るうとレン、二人の頭に角が見えます。





「なに…って…。」