基盤に散らばったままの駒たち。
これは戦のシュミレーションのために私がよく使う物で、それを見ていると自然に戦脳になってしまう。
「ほらよ。」
「ありがとー。」
コーヒーを片手にその駒を触り始める私。
幾多もの戦況を一人で勝手に想像して、駒を動かしてみるけど。
やはり上手く攻略出来なくて。
「……。」
「誰か来た。」
「……。」
「リン!誰か来たからとりあえず着替えとけ!」
どうやら部屋のドアがノックされたようで、基盤に夢中で気付かない私をるうが脱衣所に追いやった。
…あー。もう少しやりたかった。
渋々言われた通り着替えて、身支度を済ませて部屋を出る。
「…レン?」
「おかえり、姫。」
「ただいまー。」
訪問者はレンだった。
もう清々しいくらい一人で出歩いてるね!?

