「わざわざこんな夜中に出迎えなくても、俺が付いてんだから大丈夫だってのに。」
「信用ならないもんで。」
「だろうな。けど無事に送り届けたろ?」
「…ああ。そこは感謝する。」
どうやらるうとアキトは仲良くなさそうだ。
「アキトここまでありがと。私は自分の部屋に戻るけど、アキトは帰れる?」
「俺は子供か!?」
「一度入っちゃうと出るの苦労するから、無理そうなら今送ってくよ?」
「…確かに、お前の鳥籠はデカくて頑丈だなあ。俺の心配はいらねえ。大人しく入って寝てろ。また気が向いたら外に出してやるよ。」
王宮を鳥籠と例えるアキト。
確かに言われてみれば、私はいつも鳥籠の中で生活してる。
そんな鳥籠からまた出してくれると言ってくれたアキトに、私はまたありがとうと笑顔で伝える。
そして手をヒラヒラと振って、アキトは去って行きました。
「ただいま戻りました。折を見て陛下にご報告願います。」
門番にそう伝えて、私はるうと一緒に部屋に帰って来た。

