(一)この世界ごと愛したい





猛スピードを意識したお陰で、すっかりヘトヘトになってる私とアキトとお馬さん。


朝から走って来たにも関わらず、セザール王宮の入口の門に到着する頃には真っ暗。深夜です。



そんな門には、勿論夜中でも門番がいる。




しかし門番とは明らかに違う、門の壁に寄り掛かる一つの人影。









「るうただいまっ。」


「ああ。おかえり、リン。」



一体いつからここで待っていたんだろう。



馬から降りようとした私を、ヒョイっと抱き上げ降ろしてくれたるうの手が冷たくて驚いた。




「…こんな遅くまで外で待ってたの?」


「無事で良かった。」


「無事に決まってるし、るうの方が無事じゃないでしょっ!?」



門番の人に聞こえないよう小さく怒る。


そこへアキトも馬から降りて、こちらへ歩いて来る。