(一)この世界ごと愛したい





「一晩泊めていただき本当にありがとうございました。この御恩、必ずお返ししますね。」


「いやいや!これは礼儀正しいお嬢さんだ!アキトさん大事にしねえと!」


「…ああ、そうだな。」



いや、彼女じゃないけどね!?


まずそこ否定しろ!?






「さて、行くかあ。」


「うん。」



馬小屋に預けていた馬を引き、この港町を離れる。


最後に一目見えた海は、尚もレンの瞳の輝きの如くキラキラしていて眩しかった。







「…女たらし。」


「俺はたらさねえ。向こうが勝手に盛り上がってるだけだ。」


「へー。」



まあ、どうでもいいんですけど。




「行きで進軍の道は覚えたから、帰りは最短ルートで案内よろしくねー。」


「…あーはいはい。」



もう信じられないくらいのスピードで、馬を走らせる私とアキト。