(一)この世界ごと愛したい





唇を離した後、すやすや眠る私を見て安堵の息を吐くアキト。





「…何してんだ俺は。」



後悔の滲む表情で、私を見つめる。




私に言いかけて止めた、ハルが負傷した二年前の戦のことも。


レンに言えない、私へ抱えてしまったその感情も。




誰よりも強いアキトの心の中に、一人で溜め込んでいて。





それに気付くことが出来たなら、きっとアキトが楽になれるよう。


心からの祈りを捧げるのに。













「…リン、鬼人はこのままじゃ…目覚めることはねえよ。」







…ねえ、ハル。



何の犠牲もなく、ただハルに会いたいと願うのは…許されないことなのかな。