唇を離した後、すやすや眠る私を見て安堵の息を吐くアキト。
「…何してんだ俺は。」
後悔の滲む表情で、私を見つめる。
私に言いかけて止めた、ハルが負傷した二年前の戦のことも。
レンに言えない私への気持ちも。
誰よりも強いアキトの心の中に、一人で溜め込んでいて。
私がそれに気付くことが出来たなら、きっとアキトが楽になれるよう。
心からの祈りを捧げるのに。
「…リン。お前の兄貴はこのままじゃ…目覚めることはねえよ。」
ねえ、ハル。
私がそのことにもっとちゃんと向き合っていたなら、違う未来も…あり得たのかな?

