(一)この世界ごと愛したい





体力的に限界の私は素直に隣に横になる。




「んで?なんでレンは嫌なんだあ?」


「…レンはたまに意地悪だし。」


「どんな意地悪なわけ?」



どんなって…。


私はあの日、レンの部屋での出来事を思い返す。




だ、ダメだ!!!


未だに恥ずかし過ぎて言えない!!!





「〜っ…忘れた!!!」


「…。(分かる。分かるぞレン。これが可愛かったんだな。これに負けたんだな。)」


「寝る!!!」


「…。(俺は負けねえ!!!)」



アキトは真剣に、何か意気込んでいるかのような顔をしている。






「アキト?おやすみ?」


「…おやすみ。」



本気の睡魔が私に襲い掛かる。


そんな私を見て、アキトはまた私の頭を自分の腕に乗せてくれる。




「…。(何だこれ可愛過ぎる。可愛過ぎて近くで見てたいからって俺はアホか。)」


「…アキト手、痛くない?」


「全然。(レンの嫁レンの嫁レンの嫁…。)」


「…ん?」



なんかずっと、アキトに見られてる気がする。



そう思って、私は眠いなりに少しだけアキトに目を向けると。





案の定バッチリ目が合って。



一瞬だけ違う人に見えたかと思ったら、アキトの声が耳元で聞こえた。













「…また俺の負けか。」









そう聞こえた後、私はアキトにキスされたような気がしたけど。



ここで睡魔との戦いに敗れました。