とある戦で重傷を負ったハルは、もう二年眠りについたまま。
この地下室に、二年だ。
定期的に主治医が来て、必要な処置を施す。
でも、決して目を覚さない。
ハルはとても強かった。
今の私でも、きっと手も足も出ないほど。
ハルは優しかった。
いつだって私を大事に想ってくれていた。
そんなハルだから、無茶な戦い方をする私を庇って眠ってしまった。
「私は何も成長出来てないね。」
結局また、大切な人を傷付けてしまう。
パパを、失ってしまった。
「…ごめんね。」
気付けば涙が止まらない。
ハルの前では、自分の意思など関係なく溢れるだけ溢れる。止め方も分からない。
…本当は苦しいの。
ずっと、怖くて怖くて堪らなかった。
私は弱い。
私は戦神なんかじゃない。
「しばらくハルに会えなくなっちゃうけど、絶対帰って来るからね。」
やるべき事を成し遂げて、必ずここへ。
「でも…っ。」
ハルに言葉を投げかけている途中、ふわっと抱き締められて身体が温もりに包まれた。
「お前がそんなに強くねえことくらい知ってる。」
「…る、う。」
何でもお見通しなるうが、たまに憎い。
元々るうはハルの従者として城にいたけど、ハルが眠ってからは自然と私の従者へシフトした。
生まれた年数分の付き合いだ。
るうは厳しいところもあるけど、実は私を良く見てくれていて、気に掛けてくれている。

