(一)この世界ごと愛したい




ある程度丘の調査を終えて。



また夜の野宿は嫌だという話になり、アキトが近辺のセザール領土の街へ案内してくれることになった。



その街は港町で。





私は生まれて初めて、海を見ています。






「広くて大きいっ!水平線すごいっ!」


「当たり前だろ。」



海辺に向かって走り出した私を、アキトがゆっくり追いかけて来る。



これが海かー!!!




私は触ってみたいと思い、その海に手を伸ばす。




「…冷たっ!」


「冬の海なんだから当然だろ!?てか海初めてってマジか!?」


「うん!絵で見た通り綺麗だね!」



本当にレンの瞳の色と同じだ。


私はテンションが跳ね上がり、靴を脱ぎ捨て真冬の海に足を踏み入れる。



もう冷たくて足が痛いけど。





「これが海、か。」


「馬鹿か!?何やってんだ!?」



アレンデールの城。


セザールの王宮。




閉ざされた場所から一つ外へ出ると、私の知らない世界が広がっている。


この海の冷たさも、本物の色も、その大きさも。



まだまだ沢山知りたい。