(一)この世界ごと愛したい




そこから私はしばらく動かず。


割と長考するが、これといった策は浮かばない。



とりあえず王宮のるうとレンの様子も気掛かりなので、早めに引き上げることを決める。




「アキトー。」


「んあ?」


「ここも行きたいんだけど。」




城の向こうに見える森?いや丘かな?


肉眼で見ても、なんの変哲もない丘が聳え立っているだけ。



私は何か利用出来ないかと考えています。




「はあ?行ってどうすんだよ?」


「…わかんない。」




でも私のまだ覚束ない一つの策を叶えられるなら、ちょっと面白いかもしれない。


これは断じて城攻めの策ではなく、対エリク用の策です。




「敵もいるかもだから慎重に行こう!」


「…あいよ。」





私とアキトは、現在地からぐるっと迂回して例の丘の麓まで足を運ぶ。



いざ目の前まで来てみると大きい。


そして、ディオン側と思われる人が彷徨いてる気配があるので、馬はかなり前から安全な場所に置いて歩いてきました。





「…ふーん。」




人が住める場所ではなさそうだし、ディオンももし開戦が決まれば伏兵を置くのに使いそうだな。