(一)この世界ごと愛したい





時が流れる間も走り続け、ようやく目的地。



東のディオンの城付近へ到着した。


敵に見つからないよう、少し遠くからその城を見つめる。





…正直、かなり驚いています。




「アキト。」


「なんだ。」


「…このクオリティの城ってこんなに早く建城できるんだっけ?」


「ディオン近いからな。俺は諸々準備してた物をここに運んだって聞いたけど。」




準備するにしたって限度がある。





「…エリクか。」



十中八九エリクさんが何かしらのことをしたんでしょうね。


じゃないとここまでは、あり得ない。






私は、まさに砦と化した城を見て。


頭の中で攻略のイメージを沸かせながら、その糸口を探る。



正直すごいとしか言いようがない。今のところ非の打ち所もない城。






「…アキト、ほんとにありがと。」


「あ?」




本当に、見に来られてよかった。


私の想像を遥かに上回る規模の城を見て、もし来られていなかったらと思うとゾッとする。