(一)この世界ごと愛したい





「良く考えればアレンデールの…兄って、まさか…あの鬼人か!?」


「あ、そっか。ハルは有名だったからもしかして知ってる?」


「知ってるも何も…って、妹!?」



何もかも今更感がすごい。


アキトはもしかしなくても、結構馬鹿なのかもしれない。





「…じゃあ、この国はお前を二度も傷付けたってことか。」


「……。」


「目的は仇討ちか。」


「っ…。」



急に的を得ること言われると焦る。


いや、仰る通りなんですけど。


ここで肯定の言葉なんて、とてもじゃないけど言えない。





「私は……へ?」



私が話し出すと、アキトは私の頭にポンっと手を置いた。





「間違っちゃいねえ。」


「…?」


「お前、辛かったろ。」




…嫌だな。



泣きそうになるから、ハルに似たその手で寄り添うのは止めてほしい。