周囲への警戒もあり、あまり深く眠っていない私は日の出とほぼ同時に目を開ける。
目の前には普段から考えられないくらい静かに眠っているアキト。
「…はるー…。」
私はハルの名前を呟きアキトに擦り寄る。
「…あ?誰のことだ?」
どうやら、眠りを浅くしていたのはアキトも同じだったようで。
「私の…」
家族で。
兄で。
この世で最も大切な人で。
「…一番、認めてもらいたい人。」
「はあ?」
アキトは意味が分からんと言い捨て。
最早墨と化した私が斬り倒した木を見る。
「燃え広がる心配はねえな。そろそろ行くぞ。」
「うん。」
私も立ち上がり体を少し伸ばす。
「それで?」
「うん?」
二人で再び走り出して、少ししたらアキトが私に主語も何もない質問を投げ掛ける。
「ハルって誰だよ。」
「私のお兄様です。」
「兄……ああ!?」
「え、何っ!?」
それはそれは目をまん丸にして、アキトは驚きのあまり馬を止めた。

