「お前、そうやって馬鹿みたいに笑ってる方が絶対良いぞ。」
「馬鹿みたいって失礼だねー。」
アキトの体温で、私は徐々に眠くなる。
「寝ろ寝ろ。」
この温度が、やっぱり懐かしいハルの温もりに感じて、安心して私が眠りに落ちるのに時間は掛からなかった。
…そう言えば。
山で迷った私を見つけたハルも、朝が来るまでこうして私を抱き締めて一緒に眠ってくれたんだっけ。
そんな昔の記憶が心地良く夢の中でまで蘇った。
「おやすみ、リン。」
その声さえも。
この体温さえも。
ハルと同じ。
私はこの日から猛烈にアキトに対する安心感が芽生え、それはもうまるでハルを相手にしているかのように懐いた。

