「俺は悪くない。これは不可抗力だ。」
「……。」
「…おい!なんか言えよ!」
「いや、結局アキト寒いままじゃん。」
私はコートを引っ張り、ちゃんとアキトにも掛かるように手繰り寄せる。
つまり、一つのコートに二人で包まれる。
「大丈夫そ?」
「…俺のプライドが最早死んでる。」
「明日には生き返るといいねー。」
「軽いな!?」
さっきより段違いに温かくなったー。
やっぱりその筋肉のお陰なのか、アキトの体温は高めだと思う。
「お前っ、あんまり寄るな!」
「ぽかぽかー。」
押したり。引き寄せたり。
馬鹿みたいに騒いで二人で声を出してめちゃくちゃ笑った。
アキトのお陰様で、もうほとんど寒くない。
「はぁー。こんな馬鹿やって何してんだ俺は。」
「楽しかったー!」
「…あー今はもうどうでもいいか。」
「ん?」
腕を伸ばして、その腕に私の頭を乗せてくれた。
…腕枕。
と驚いたすぐ後に、アキトは私をぎゅっと抱きしめて温めてくれる。
「冷た!」
「そんなことないよ。もう寒くないもん。」
「氷みてえ。」
さらに抱き締める力を強められる。

