(一)この世界ごと愛したい






「俺は悪くねえ、これは不可抗力だ。」


「……。」


「おい!?何か言えよ!?」


「いや、結局アキト寒いままじゃん。」



私はコートを引っ張り、アキトにも掛かるように手繰り寄せる。


つまり、一つのコートに二人で包まれる。




「大丈夫そ?」


「…俺のプライドが最早死んでる。」


「明日には生き返るといいねー。」


「軽いな!?」



さっきより段違いに温かくなったー。


やっぱりその筋肉のお陰なのか、アキトの体温は高めだと思う。




「お前っ、あんま寄るな!?」


「ぽかぽかー。」



押したり、引き寄せたり。


馬鹿みたいに騒いで二人で声を出してめちゃくちゃ笑った。



アキトの優しさに触れて、もう殆ど寒くない。







「こんな馬鹿やって何してんだ俺は。」


「楽しいー!」


「…あー今はもうどうでもいいか。」


「ん?」



腕を伸ばして、その腕に私の頭を乗せてくれる。


…腕枕。



驚いたすぐ後に、アキトは私をぎゅっと抱き締めて温めてくれる。





「冷た!?」


「そんなことないよ。もう寒くないもん。」


「氷みてえ。」



そう言って更に抱き締める力を強められる。