(一)この世界ごと愛したい






私は寒いのを忘れて目を閉じて寝ようと決めた。



寒くない寒くない寒くない。




そう言い聞かせてる私は、途端に温もりに包まれた。






「……。」


「……なにこれ。」




さっきまでアキトが頭まで被っていたコートが、私を覆っている。


そのせいでアキトは被るものはなくなり、寒そうにしてる。それはもうすごく寒そう。見てるこっちまで寒い。





「俺は修行する!!!」


「はいはい。そんな修行ないからね。大人しくちゃんと着てようねー。」


「馬鹿!俺はいいんだ!寒くねえ!!!」




私はもう苦笑いしかできない。


なのでそのコートをポイッとアキトに投げ返す。




「こんなのが修行になるなら、修行すべきは私だね?」








「…ああもう、俺の負けでいい!!!」





謎の負け宣言をしたアキトは、私に近付きコートで包んで。



そのまま私を抱きしめて横になる。