新たな王として、アルが即位することになるんだが、幾分幼いため、成人するまでは周りの大人と協力していくしかない。
まだ子供なのに、王という重責を背負わされるアルのことを思うと胸が痛む。
私はそれを側で支えることすらできない。
「…無事でよかった、ハル。」
落ち込む私の足は自然と城の地下室へ向かっていて、そこにいる人物に話しかける。
【ハル・アレンデール】
私の兄。私たち三兄弟の長男。
不安なことや、悲しいこと、辛い時があるとここに来ることが多い。
ハルに話して、自分を安定させる。
返事は…ないけれど。

