(一)この世界ごと愛したい





しーん。



と音がするほど静まり返る広間。





「戦以外で王宮から出ることは許さん。」


「…攻め入る城の、全貌を把握したいだけです。時間はそれほどかかりません。」


「それでもならん。」




こんのボンクラめ。


口を開けばならんならんって…。




アキトはよ来い!!!





「外へ出て、姫が仮にこの王宮から逃げようものならどうする。他国の者に連れ去られたらどうする。」


「私の身を案じていただき大変嬉しいですが、私は逃げはしませんし、易々と捕まりもしません。それは陛下もご存知でしょう?」


「ああ。姫を手に入れるのは容易ではなかった。だからこそ手放したくはない。分かれ。」




分かるかーい!!!



ああ言えばこう言う。そんな問答を繰り返している内に、ようやく広間の扉が開いた。






アキト遅い!!!