(一)この世界ごと愛したい





うーん。


唸りながら地図と睨めっこ。





「…ねえ、るう。」


「あー?」


「ここもうちょっと詳しい地図ない?」


「そこにあんのが王宮中の地図だ。」



つまりないのか…。


ディオンの城の付近に、森のような丘のようなハッキリしない場所がある。




「…うーん。」



王宮に地図がないってことは、誰も詳細を知らない土地ってことだ。



…使えるかもしれない。





「ここもついでに見て来よう。」


「おい、早く戻るって言ったよな?」


「うん、でも気になるし。時間は大して変わんないよー。」


「…はぁ。」



るうはため息を吐くけど、それ以上は何も言わなかった。





とにかく、明日セザール王を説得出来ないと話にもならない。


…アキトが上手くやってくれることを祈ろう。





そう考えて、今日は早めに休むことにした。



この部屋に絶賛泊まり込み中のるうは、まだ寝ないと言うので私だけ先に横になる。


そんなに時を置かずに、疲れた私はすぐに夢の中へ誘われた。