(一)この世界ごと愛したい





ディオンという国。


私はそんなに関わったことがないんだけども。




それにしても、そんな馬鹿げた話はない。


セザールへ来る前から予想できていたことだけど、自分の国を攻められて他の国が奪った領土。それを私自ら取り返しに行かされるなんて。




エリクならやりそうなことか。


人の嫌がることするの得意だもんなー。






「…戦かー。」


「百人力で頑張ります。」


「るう、たぶん百じゃ足りないよ。」




アレンデール軍を率いるならまだしも、セザール軍となると話は別だ。



力量をまず知らないし。


私との連携が上手くいくとも思えない。そうなると必然的に私は自分自身とるうを使わざるを得ない。





「…精一杯頑張ります。」


「まだ予想の範囲だけどね。戦の話を持ちかけられて拒めない以上やるしかない。」




でも、私の憂いは消えない。


あのエリクが、それだけのためにわざわざハルの名前まで使って得たこの好機。





そんなことのためだけに使うのだろうか。