「…よかった。」
レンはそう呟いて、私の隣に横になった。
「なにがよかったの?」
「君が笑ってくれたから。」
…どうやらよっぽど心配させてしまっていたらしい。
「るうには言わないでね。」
「…うん。」
泣いてたこと、元気がなかったことを、言わないでほしいと頼んだ。
人一倍責任感が強いるうだから。
「あと、私はレンとエリクの関係性あんまり詳しくないけど。エリクはレンをどうしても陥れたいように思うの。」
「…そんな気はしてる。」
「だから今回のエリクのお願いって、たぶん私よりレンが狙いなんだと思ってる。」
「……。」
エリクの考えは知りようもないけど。
「私のせいでもあるから、出来る限りレンの迷惑にならないようにしたいんだけど。」
「いや、ルイの命を優先して。父も兄も、人を人とも思ってないから従者一人殺すくらい躊躇わない。」
「…そう言ってもらえると正直有り難い。私はるうを人質に取られると、どうしようもなくなるから気を付けてって…国を出た時に本人にも伝えてたんだけど。」
結局こうなっちゃったし。
ただ今回は相手が悪かったのは否めないな。エリクは私たちが触れてほしくないところを的確に突いてきた。
安い挑発だったけど、それを理解した上でも。
私とるうにとって、ハルは特別だから。

