意味不明で無謀なお願いをした挙句、泣き顔まで晒してしまった。
私は、その場にごろんと転がる。
「…あー…。」
当初の予定と全然違うなー。
サクッと嫁いで、サクッと王の首を刎ねて、サクッとアレンデールに帰るつもりだった。
蓋を開けてみれば。結婚相手はちょっと抜けてて放って置けないレンで、王には中々近付けないし、逆に王子の陰謀に嵌められて。
アレンデールにすぐに帰りたいのに、ハルの治療も夢見ている。
「私は我が儘だなー…。」
それでも、叶えられるだけ叶えたい。
「そうだね。」
「うん?」
「そんな君だから、俺は力になりたい。」
微力だけどね、と笑うレン。
捨て置けないこの気持ちが、厄介だ。
「レンって変人だよね。」
「…君に言われると傷付くな。」
やっぱり他の人にも言われるんだ。
と思わず笑ってしまう。

