「…るう。」
「……。」
「ありがとう。」
私がお礼を言うと、るうは少しだけ顔を上げて私を見る。
「医術師のレンの前では言わなかったけど。るうが動かなかったら私が斬ってたから。」
これは本当の話。
既に剣に手は掛けてたからね。
「守ってくれてありがとう。」
「……はぁ、情けねえ。」
「私が斬ってた方が、もっと緊急事態だっただろうから寧ろラッキーだよ。」
「…それは、そうだけど。」
だから、安心してね。
ハルのことも、今回のことも。るうが気負う必要なんか全然ない。
「ハルなら、こんなヘマしねえな。」
「…ハルがいたら、エリクと再会した瞬間に斬ってるよ。たぶん。」
少しずつ、るうも元気になってきた。
もう大丈夫かなと判断し、私はるうに休むよう伝えて部屋に一人残る。

