(一)この世界ごと愛したい






刹那。




私が動いたのとほぼ同時。






るうが私の横を光の如く駆け抜けた。




その手には既に剣が握られていて、私は憎悪の淵から現実へ引き戻される。






ハッとして、まず目に入ったのはエリクに剣を振り上げるるうと、それを不敵に笑って受けようとするエリク。








…嵌められた。




そう気付いた時にはもう遅い。



もう手遅れだろうことは分かっていたが、それでも私は止めねばならない。







私は持てるスピード全てを駆使。



るうとエリクの間に入り、ギリギリでるうの剣を受けた。







「退けリン、コイツだけは許さねえ。」




我を忘れたるうを一度鎮めねば。





「今誰に剣を向けているのか、理解が出来るか?」


「ああ!?」


「本来なら死刑も安い。だが、副将殿は裁かれることはない。」





るうは悪くない。


気付けなかった、私の落ち度だ。