遡ること、五日前。
アレンデールへの侵攻が始まった日。
兵士たちはとにかく王の帰還を信じ、応戦し、敵を迎え撃ち戦った。
奮闘を続けて、約二日後に王が帰還。
その頃には城は占拠されたと言っても過言ではないほど侵攻が進み、民は捉えられ、王妃と幼い王子は人質として捕らわれた。
怒りに身を焼かれた王は、なりふり構わず剣を取り、ひたすら戦いに暮れた。
だが、あまりに多い敵の数に、流石の王も膝をつき血を流した。
弱った王の前に、セザール王が現れた。
「アレンデールの王よ、大人しく降伏せよ。」
「私は屈さぬ。ここは我が城であり我が家だ。妻と子は例え死んでも守る。」
「では、交渉しよう。」
セザール王は、提案を持ちかけた。
「私の願いを叶えるのなら、この先一人も殺さんと約束しよう。もちろんお前の妻も、王子もな。」
「っ!?」
王はすでに死闘を尽くし、正直ここから反撃して勝利することは叶わないと理解していた。
「お前の…願いとはなんだ。」
か細い糸ほどの希望を感じ、王はセザール王の要求を聞く。
しかし。
この願いを聞いた時、王は我を忘れてセザール王へ斬り掛かった。

