そんな日の翌日。
エリクの手は、じわじわと伸びてきていて。
こんな生活を一変する一日になることに、私は気付かなかった。
「ほら、稽古すんだろ。さっさと食え。」
「うんー…。」
いつも通り、るうに起こされ朝の準備を済ませ、朝ごはんを食べる。
コーヒーだけにしたかったけど、るうが既に作ってくれていたので食べることにした。
「もう調子は大丈夫そうか?」
「かなり…回復しましたー。」
「そらよかったな。」
そうだ。昨日の兵士君たちのおかげで、かなり調子はいいんだった。
今日のるうとの稽古はきっと滞りなくできそうな気がする!
「あ、レンはどうする?」
「…昨日はもう一人で王宮内うろうろしてたけど。」
レンという名前を聞くだけで、少し身構えてしまう私。
今日はもうほっといてもいいんじゃないかと思ってしまう私は薄情なのだろうか!?

