(一)この世界ごと愛したい






「困るんですよね。人の休暇に託けて手出させると。」


「……。」


「俺も悪いんで文句の言い様もないんですけど。」


「…ルイは悪くないでしょ。」




るうの敬語が余計に怖さを駆り立ててる。


でも、怒られてるのはレンのようで。私は大丈夫そうだ。



よかった!!!





「こいつの天性の警戒心なめんなよ?」


「え?」




私の、警戒心???






「リン、この部屋に残るか?」


「帰る!!!」




私が即答すると、るうは何故かドヤ顔でレンを見下ろす。




「だからお前は一歩後退するわけ。」


「なるほど。防御こそ最大の攻撃ってことだね。」


「こいつの警戒心ほぼ無意識だから、一度そうなると修復には時間かかんだよ。」




私のことを、話してる?


にしては意味が全然わからないけど、もう私早く帰りたいです。







「…でも結局攻めなきゃ、勝ちはないよね?」




レンはるうに負けず、不敵に笑った。