(一)この世界ごと愛したい





もう、顔が熱くなるのが自分でわかるし。



少しだけ、レンが怖いとも思える。





「やっ…めて…。」


「…少しは危機感、持てそう?」




私はこれでもかというほど大きく頷く。


頷いたのを確認して、レンはそのまま私を抱き起こしてくれた。




「……。(目も潤んで耳まで赤くなってて可愛い。)」


「……。」




私は何も言えなくて。


少し恨みを込めてレンを睨むことしかできない。





「……。(その顔で睨まれても逆効果なんだけどな。)」


「…レンのばか。」


「あーもうだめだ。」




ただ座り込んでる私をレンが再び抱きしめる。




「レン!もうわかったってば!」


「いやこれは君が悪いよ。」




もう忙しい私の頭は爆発寸前。


そんな私を助けるかのように、レンの部屋のドアが開く音がした。









「…るうっ!」




レンは私の身体をそっと離す。


ドアから入ってきたのは、それはもう気持ちの悪い笑顔を顔に貼り付けたるうだった。