(一)この世界ごと愛したい





ただ瞬きを繰り返し。


今なにが起こったのか、必死に頭で考える。







「…嫌だった?」


「そんなことは…ない、けど。」



お願いだから耳元で喋らないでほしい。




「あ、あの…レン…?」


「…なに?」


「っ!」



レンの息が耳にかかり思わず身体が反応する。


もう恥ずかしすぎて穴があったら入りたいくらいの気持ちなので、とにかく離れてほしい。




「…君はどこまでも可愛いね。」


「ちょ、レンっ…!」




もう離れてと伝えようと思ったが、今日のレンは意地悪モードだということを忘れていた。



レンが私の耳を、たぶん舐めた。