「…君は、少し学ぶべきかな。」
「ん?香のこと?…わあっ!?」
急に足が床から離れ、レンに持ち上げられてることを頭が理解した時。
レンは寝室である奥の部屋まで私を運び入れ、ベッドに私を降ろした。
…この部屋は一段とレンの匂いで溢れてる。
「レン?」
「君には危機感がないの?」
「…?」
危機感?
私あんまり自分より強い人に出くわさないしな。
「二人っきりの部屋で、無闇に男に近づかない方がいいよ。」
「うん、わかった。」
「…どうしてダメかわかる?」
「さあ?…でも嫌な人もいるよね。ごめん。」
すごく落ち着くいい香りだから、詳しく聞きたかっただけなんだけどなー。
「俺は嫌じゃないけど。」
「うん?」
レンは、そっと私をベッドに倒し倒す。
「嫌じゃないけど、こういう危険があることを君は知った方がいい。」
「れ…ん?」
下から見るレンも、やっぱり綺麗で。
そして、紺碧の瞳の真剣な眼差しに、思わず吸い込まれそうになる。

