そんな私は、この国の姫。



【リン・アレンデール】




王である父と、王妃である母。


そして兄と弟と、私。


そんな家族構成だけど、私にとってはこの国の民すべてが家族。



守るべきものだと思ってる。



もちろん、血の繋がる家族は大事。


私を大事に慈しんでくれる、大切な人たち。




そんな大切な人たちを守るためにも、私は戦場に立つ。



私の国に、敵として立ち塞がる者を撃ち沈める。






国のみんなが私を戦神アテナと讃え、私の勝利を願っている。



何故なら私は、初陣からこれまで一度も戦で負けたことがない。



女に生まれた以上、男達の腕力に敵わないことは百も承知なので、知略や策を講じて戦場を支配する。武力にも自信はあるが、力業ではなく速さ勝負。



とにかく翻弄して翻弄する戦いのスタイル。




そんな試行錯誤を重ねる度に、勝利も重なり戦神と言われるようになった。



喜ばしいことだし褒められるのは嬉しいんだけど、恐れ多い…というのが正直な気持ち。




当然にやれることはやる。


頑張れるだけ頑張る。



それで国のためになり、民が喜ぶならそれでいい。