(一)この世界ごと愛したい





午後の部も、まずは一人ずつ様子を見て。


そこから五人ずつ。



朝と全く同じ流れで、大体同じ時間打ち合いを続けた。稽古している時は時間の流れが早い。





「姫様、もう一度お願いします!」


「俺も!!」



もう夕方で、日の入りも近い。なんせ兵たちはボロボロの泥だらけ。


これ以上やったところで得るものは少ない。




「…今日はここまでにしましょう。」




しょぼーん。


と肩を落とし落ち込む兵士たち。



…強くなりたいと願うその気持ちは、私にも痛いほどわかる。






「…あと一周だけですよ?」


「っ…ありがとうございます!!!」




泣きの一周を終わらせて、兵たちは満足そうに隊舎へ戻っていく。




あー。私の馬鹿。


いつかまた敵として戦場に立つかもしれない兵に、感情移入して甘やかしてしまった。





「疲れたー…。」



朝からぶっ通しで、もう日は落ち夜になった。




「大丈夫?」



そう言って、レンが座っている私に手を差し伸べる。