(一)この世界ごと愛したい





「午後の部行きましょう。」



私が立ち上がると午後の順番を待っていた人たちが立ち上がり、雄叫びのような図太い声で大声を出す。




さて、私も身体が温まった感じがする。


もうほとんど元の状態に近いと言っても過言ではない。




だからと言って、全力稽古するつもりはないんだけど。手の内はあまり晒したくないもので。




「姫。」


「はい?」


「怪我しないでね。」


「…しません。」




もう拘束期間は懲り懲りだ。


けどレンなりに心配してくれたんだろうと思うから、私はレンが心配しないよう笑みを向ける。




「…君は魔性だ。」


「はい?」



この場にいる兵たちの中に顔を赤らめてるのが数人いる。


そんなことは構わず私は稽古場へ足を向けた。