(一)この世界ごと愛したい





するとエリクは嬉しそうに振り返る。




「引き留めていただき光栄ですが、私の用はそれだけですよ?」


「そ、そうですか。」


「良い返事を期待しています。」




相変わらず気味の悪い笑みを残して、エリクは本当に帰って行った。




…読めない、読めない。


なに考えてんのか分かんない!!!





大きなモヤモヤした感情だけが、私の中に残った。


その場でしばらく考えたが、やはり意味がわからなくて。私は頭を抱える。




エリクは武力というより、知略に長けた男だ。


そんな人だからこそ、きっと何か陰謀があるはずなのに。





「…お手上げだ。」