(一)この世界ごと愛したい





「私から父へ申し立てますが、父は断固として許さないでしょう。」


「…そうかもしれませんね。」


「そこで姫に折り入ってお願いがあります。」



えー。


何その嫌な予感しかしないお願い。










「私の申し立ての、後押しをしていただきたい。」



何故私が、それを承諾すると思うんだろう。





「…私は…」


「返事はまた後日でお願いします。」



いや、この場で断りたいんですけど!!!


もうノーと答え出てますけど!!!



わざわざ私の言葉を遮ってまで、私の返事を聞かなかったエリクは踵を返し来た方向へ歩き出す。





「え…それだけですか?」



思わず聞いてしまった。



だってこんなに時間を掛けて作ったこの時を、そんな意味不明で不毛な頼みのために棒に振るとは思えなかったから。