「さすがは我が姫。あなたは棘ように鋭い。まるで薔薇の花のようだ。」
「…私に、何か御用ですか?」
エリクが王宮を追放された後、オリビアさんをレンに近付け情を持たせて。
レンの暗殺を企て、私がるうを護衛に付けると見越して。
そしてオリビアさんに暇を出し、レンの護衛でるうが私から離れる時を狙って。
何ヶ月も費やして得たこの状況で、あなたは一体何をしようとしているんでしょう?
「私の目には、姫しか映らない。」
「…あなたが企ててこの時を作ったんでしょう。私しかいなくて当然です。」
「ふふ。私の策だと知った上で姫は王宮に一人残ったわけですね。」
ふふってなんだ。ふふって。
「そうですね。大掛かりな策だったので、余程の事情があるのかと思ったんですが。違うなら失礼します。」
「あなたが、私以外の誰かと結婚するというだけで私にとっては余程の事ですよ。」
「それでは私ではなくセザール王へ進言すべきでは?」
私は自分で結婚相手を選んだわけではない。
進言した結果、王宮を追放されたって聞いたけど。そこは私の知ったところではない。
「ええ。そうしようと思っています。」
「では私にはなんの関係もないように思いますが?」
私の言葉にエリクは不敵に微笑んだ後。
あろうことか私へ意味不明な頼み事をする。

