(一)この世界ごと愛したい





「流石は我が姫。あなたは棘ように鋭い。まるで薔薇の花の様だ。」


「…私に、何か御用ですか?」



エリクが王宮を追放された後、オリビアさんをレンに近付け情を持たせて。


レンの暗殺を企て、私がるうを護衛に付けると見越して。


そしてオリビアさんに暇を出し、レンの護衛でるうが私から離れる時を狙って。




数ヶ月費やして得たこの状況で、あなたは一体何をしようとしているんでしょう?






「私の目には、姫しか映らない。」


「…あなたが企ててこの時を作ったんでしょう。私しかいなくて当然です。」


「ふふ。私の策だと知った上で姫は王宮に一人残ったわけですね。」



ふふってなんだ。ふふって。




「そうですね。手の込んだ策だったので、余程の事情があるのかと思ったんですが。違うのなら失礼します。」


「あなたが私以外の誰かと結婚すると言うことは、私にとっては余程のことですよ。」


「それは私ではなくセザール王へ進言すべきでは?」



私は自分で結婚相手を選んだわけではない。


進言した結果、王宮を追放されたって聞いたけど。そこは私の知ったところではない。




「ええ、そうしようと思っています。」


「私には何の関係もございません。」



私の言葉にエリクは不敵に微笑んだ後、あろうことか私へ意味不明な頼み事をする。