「綺麗…。」
「ん?」
「レンの目は、綺麗な海みたい。」
私は無意識に、レンの顔に手を伸ばした。
「姫…?」
「…あ…。ご、ごめんっ…。」
私は我に返って、手を引いた。
私何してるの!?!?
レンもドン引きしてるよなと、心配でチラッと見てみると何故か少し顔が赤くて。
「君は、海が好きなの?」
「本物の海は見たことないんだけど、絵で見た綺麗な海にそっくりだったから…ごめんね?」
「…この目を褒められたのは初めてだ。」
「嘘!?こんなに綺麗なのに!?」
「…はぁ。」
困ったようにレンはため息を吐く。
そして私の隣に座って、少しずつ話をしてくれた。
「俺の母親が他国の人で、瞳の色は母親譲りなんだ。それをこの国であまり良く思う人はいなかったから、生まれて初めてだよ。ありがとう。」
「じゃあレンのお母様の形見だから、大事にしなきゃだね!」
「…確かに。君はやっぱり凄いね。」
何がすごいのか全然分からないけど。
それでもレンが嬉しそうに笑うから、よかったと思った。
「すごいのはレンだよ。私こんなに腕のいい医術師知らないもん。治してくれてありがとう。これからもよろしくね、先生。」
戦でどれだけ負傷しても、レンがいれば無敵だなと思えて笑ってしまった。
「…これはもう、君が悪い。」
レンはそう言って私の額にキスを落とす。

