城を肉眼で捉えた。 火の手があがっているのか、黒煙もうっすらではあるが見える。 想像はもちろんしていた。 …していたが。 いざ目の当たりにすると全身の血が沸る思いだった。 「姫様、隠し通路から入ります!」 「うん。中に入ったら分かれよう。」 この光景。絶対に忘れない。 「…っ!」 中に入ってまず感じたのは、静寂。 自軍を始め、敵軍の姿もない。 もう、手遅れ…なの……?