「楽しみは先に取っておくことにしよう。では姫よ。いずれ月下の光の下で、美しい姿を見るのを楽しみにしているよ。」
後にも先にもありませんよー。
エリクは言いたいことだけ言って、颯爽と部屋から出ていった。
「……。」
…月下の光の下?
私はこの言葉が妙に頭に残る。でも、考えてもあの男の思考など見えてはこない。
それ自体が私を惑わせる罠なのかもしれない。
「リン?」
「…るう、気をつけてね。」
「ああ。」
私は深く考えることをやめた。
「さて、これでゆっくり本が読めるー。」
私は再び本を開く。
するとまたまたコンコンとドアから音がする。
「…もうなんなのー。」
私は項垂れるが、またるうが対応に行ってくれた。
「あ…。」
「レン王子!」

