(一)この世界ごと愛したい




とうとうこの男が押しかけてきた。


いや、でもエリクにしてはよく三日も我慢したなとも思える。




「ごきげんよう、エリク様。大変申し訳ないんですが、私はまだ万全ではございませんので、お相手は難しいです。」


「いやいや、姫の一大事だ。私も共に過ごそう。」



その方が一大事だわ!!!


治るものも治らんわ!!!




「いいえ。エリク様を煩わせるわけには参りませんし、人手も間に合っております。」


「私の方がきっと姫の役に立つと思うが。」




…誰も思いません。





「少なくともこの愚弟よりはマシだろう。」


「レン様は私に治療を施して下さっています。あら、エリク様も医術に精通されていたんですか?」


「……。」




勝ったー!!!


エリクを初めて黙らせました!私すごい!




「今日の姫は手厳しいな。」


「確かに私もまだ万全ではないので。無礼な物言いで大変失礼いたしました。」


「よい。万全になったらまた愛を育もう。」




またってなんだ!?


育んだ覚えありませんけど!?