主治医が患者をいじめるなー。
と思いつつ、自分で蒔いた種だしなと思って少しは大目に見ることにした。
「ねえ、この前話したイグアート地方の話覚えてる?」
「雨が降らないって言ってた場所だよね。」
「そう。君とそこに行けば、なにか解決策がみつかったりするのかな。」
「私は天候を読み取るだけで、操作したりはできないよ。でも確かにどんな空気なのかは気になるかなー。」
私と話すレンの目が、それはもう少年みたい。
キラキラキラキラしていて眩しい。
「いつか一緒に行こう。」
「行こうって言われても、私にはたぶん外出許可でないと思うよ。」
「あー、そうかー…。」
あからさまに落ち込む。
レンってこんなに子供っぽいキャラだったかな。
「…いつか、行けるといいね。」
私はそっと、レンの頭を撫でた。

