(一)この世界ごと愛したい




「もう窓閉めてもいいよー。」


「あ、うん。」


「明日の午後には止むと思うよ。」


「…えっ?」




本当は言うつもりはなかったし。


言っちゃいけないと思ってた。



この国で利用されるのは不本意なので、ずっと黙っているつもりだった。




「君は、天気を予測できるの?」


「少しだけねー。」


「本当に君は神の使いかもしれないね。」


「そんな感じでこの国の人は大騒ぎするから秘密にしてねー。」



あまりにも、レンが悲しそうだったからつい言ってしまったが。



既にちょっと後悔してる。





「どうやって雨が止むのがわかるの?」


「どこを見たらいい?」


「気温と湿度が関係ある?」


「何日先の天気までわかるの?」




…もう質問が止まない。


正直寝起きであんまり頭が回らないし。あちこち痛いし。体もだるい。




「レン様?落ち着いて?」


「だって、すごい力だよ。」


「うんうん。そうかもしれないけど、また今度でもいいかな?」


「えー。」