(一)この世界ごと愛したい





「はぁー。」


「寝ちゃったね。」


「ああ。(やべえ。睡魔と戦ってかくんかくんなってるのめちゃくちゃ可愛かった…。)」




座ったまま眠ってしまった私を、るうがベッドにそっと寝かせてくれる。




「今日は比較的落ち着いててよかったよ。」


「…そうだな。」



その代わりに昨日朝方までるうは私に付き合わされて、ヘトヘトだっただろうけど。


まさか主治医の言いつけを破って外に連れ出したなんて、とても言えないるうだった。





「…あと一日か。」


「怪我はほとんど問題ないけど、明日は念のためにね。治りかけが一番油断ならないから。」


「もうそんなに回復してたのか。」




レンの医術師としての腕は本当にすごい。



身を持って体験したことも大きいけど、賞賛に値するほどだと思った。